試練の時

　　第2次世界大戦を経験した父母の世代から、昔話のように聞いた光景が21世紀の現代に目の前に広がっています。

　　赤ちゃんを必死に抱いて守り抜いた若い母親の足元は、泥だらけでしかも裸足でした。また、ひとつのおにぎりを、大人が分け合って食べるという話も聞きます。目にするすべての映像がショッキングなもので、涙が溢れる思いです。首都圏に居るものの一人として節電に努めるなど、ほんの少しのことしかできませんが、大いなるエールを送りたいと思います。

　　東京のオーケストラも自分たちの公演を中止、延期する動きが加速しております。現在の電力事情や交通事情を考慮すると、どうしてもそのような措置にならざるを得ません。我々の仕事は、音楽に携わる業界ですので、音楽をするしかないのですが、いつの日かそれを受け入れていただける状況になるように、心より願います。

　　ホールの天井が落ちるなど、実害の大きい出来事もあります。そして、海外のオペラ、オケもツアーを切り上げて帰国するなど、少なからず影響が出ております。

　　すべてに人にとっての試練の時期ですね。頑張りましょう。